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キャリア・生き方
2021年07月01日

内部統制に関するコンサルティングの第一人者と言われるまでの道のり

WOW WORLDがスポンサーとして提供する『森清華のLife is the journey』(かわさきエフエム)は、パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から、「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解いていくラジオ番組です。
今回はゲストに、コントロールソリューションズ株式会社の代表取締役・佐々野未知さんをお迎えしました。佐々野さんは、企業の内部統制や内部監査のコンサルティングの第一人者として活躍されています。高い専門性が求められる分野で同社を業界のリーディングカンパニーといわれる存在にまで成長させました。どのように道を切り開いてきたのか紐解いていきます。

※『森清華のLife is the journey』は、かわさきエフエム(79.1MHz)にて毎週水曜日 午後9時~9時30分オンエア。このコーナーでは、その中から月に1本、当社が選定した回を一部抜粋してテキストでご紹介します。

【キャリアのスタート地点】希望するゼミに入れず就活に暗雲漂う。逆転の発想で取得した公認会計士の資格

大学3年生のとき、希望のゼミに入れなかった経験をした佐々野さん。インターネットが普及した昨今と違い、彼女が学生の頃はOBやリクルーターとコンタクトを取ることが就職活動では重要でした。ゼミでのコネクションを作ることができず、すっかり自信をなくしてしまったことから、公認会計士への道を選択します。

森さん それでは、どのような形で就職をされたのでしょうか?

佐々野さん 就職活動で他の人と競うのは難しいと思い、誰にでも認知してもらえるような資格を取得しようと思ったんです。それが公認会計士でした。

森さんー 簡単に取れる資格ではないですよね。佐々野さんが取得した頃は女性で公認会計士というのは珍しくなかったですか?

佐々野さん そうですね。女性の公認会計士は2割弱程度だったと思います。

森さん 公認会計士のキャリアとしては、どんなところからスタートされたのでしょうか?

佐々野さん 資格取得のために通った学校で講師をしながら、一方で監査法人に非常勤として入所しました。そこでは会計監査を実施していました。

森さんー 講師と会計監査という2つの業務をこなしながら、次の道を探っていらしたわけですね。

【人生の分岐点】夢を伝えることが大事。チャンスは上司のコネクションから生まれた

佐々野さんが次の道に選んだのは、ニューヨークでの監査法人勤務。英語が得意なわけでも、ニューヨークに知り合いがいたわけでもなかったのに、上司のつながりが夢を切り開いてくれます。

森さん ニューヨークに行くきっかけは何だったんですか?

佐々野さん 実は漠然とアメリカで働きたいという夢をもっていて、それを友人や上司に伝えていたんです。するとある日、上司の一人がアメリカの会計士を紹介してくれることになり、「やる気があるなら明日履歴書を持ってきなさい」と言われまして。英語の履歴書の書き方の本を急いで購入して、ひと晩で書き上げ、次の日持っていった…という感じなんです。

森さん 一夜にして夢が現実化したということですね。

佐々野さん はい。夢を人に伝えるって、とても大事だなと思いました。チャンスは親しい人が直接連れてくるわけではないんだなと。夢を言葉にしていろんな人に伝えておくことで、ちょっとした知り合いが意外に次につながるチャンスをくれるのだと実感しました。

【転機となった出会いや出来事】ニューヨーク生活で身についたのは英語よりも自ら行動するマインド

突然スタートしたアメリカでの生活は、日本の会計士の世界とは何もかも違いました。英語はもちろん、仕事上の苦労の中で身につけたのは、自分の意志を示して自ら行動するマインドでした。

森さん ニューヨークでの生活はいかがでしたか?

佐々野さん 英語では苦労しました。話すのも大変でしたが、読むのもリスニングもできなくて。ただ仕事上で話さないといけないのは意外に専門用語なんです。そこで、米国公認会計士の資格USCPAを取りました。資格を取りたかったというよりも、専門用語を知りたかったという感じです。

森さん ニューヨークの生活で一番印象に残っていることは何でしょうか?

佐々野さん 日本と違って、待っているだけでは何も進まないということです。自分から行動して次に進んでいく、マインドの持ち方といいますか。何であっても自分の意見を言うことが尊重される文化なので、自分の意志を示す力が身についたと思います。

【独立、そして現在】丁寧に仕事を積み重ねることが未来につながる

4年間のニューヨーク勤務時代に起きた米国エンロン事件が、業界を取り巻く環境を大きく変化させるなど、自分自身の人生を改めて考えた佐々野さん。日本への帰国を決め、監査法人や友人の企業での勤務を経て独立。丁寧な仕事ぶりが評判を呼び、内部統制・内部監査の第一人者となっていきます。

森さん 独立のタイミングで、内部統制のお仕事をされたんですか?

佐々野さん いえ、そうではないんです。これがやりたいというものがなく起業したので、今までお付き合いのあったお客様からお声がけいただいた仕事をこなしていました。その中の一つが「内部統制」のお仕事だったんです。仕事を積み重ねるうちに内部統制・内部監査に詳しい人と周りが認知してくれるようになり、今の仕事につながったという形です。

森さん なるほど。佐々野さんの丁寧なお仕事ぶりが実を結び、その道を確立していったわけですね。

【背中を押すメッセージ】選んだ道は、「どの道も正解!」

森さん 最後に、自分の夢を実現しようと考えている方々へ、背中を押すメッセージをお願いします。

佐々野さん いろいろな道を進んでいくにあたって、どれが効率的か最善の道なのかを見極めることに時間をかけすぎるのは、意味がないと思っているんですよね。選んだ道で一生懸命がんばれば、正解にたどり着くことができます。それを選ばなかったとしても、同じ正解にたどり着いたりするんです。最初の一歩のところで考えすぎるよりは、選んだ道を信じてがんばることで正解にたどり着ける『どの道も正解!』、私はそう思っています。

『森清華のLife is the journey』
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