取り組み・活動

キャリア・生き方
2021年11月17日

28年の銀行勤務を経て50代で転職。新しいことへのチャレンジに年齢は関係ない

WOW WORLDがスポンサーとして提供する『森清華のLife is the journey』(かわさきエフエム)は、パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から、「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解いていくラジオ番組です。
今回はゲストに、ヒューマンホールディングス株式会社 財務部 部長の佐藤国人さんをお迎えしました。新卒で銀行に入行し、28年間のキャリアを築いてきた中、50歳を過ぎて転職を決意。年齢による壁を感じながらもあきらめずに挑み続け、新たな世界に飛び込んだ佐藤さんのキャリアに迫ります。

ヒューマンホールディングス 佐藤さん

※『森清華のLife is the journey』は、かわさきエフエム(79.1MHz)にて毎週水曜日 午後9時~9時30分オンエア。このコーナーでは、その中から月に1本、当社が選定した回を一部抜粋してテキストでご紹介します。

【キャリアのスタート地点】金融業界で好景気とバブル崩壊を経験。不景気の中、悪戦苦闘した日々

日本経済が好景気の中、銀行に入行を決めた佐藤さん。しかし入行してまもなく、バブル崩壊を目の当たりにします。景気が悪化し、お客様との取引もうまくいかず、苦しい時期を過ごします。

森さん なぜ銀行に入行しようと思ったのでしょうか?

佐藤さんー 経済に直接関わることができる仕事に携わりたかったからです。私が入行したのは平成元年で、いわゆるバブル景気と言われる時期でした。日本が一番勢い付いている時代の中で、経済そのものに触れられる環境で働きたいと思い、銀行への入行を決めました。

森さん 銀行で働いていた当時、自分自身を成長させてくれた経験を教えてください。

佐藤さんー 入行後しばらくしてバブルが崩壊し、日本経済が右肩下がりとなりました。株価が落ち、不動産価格も崩壊し、私が担当していた法人のお客様の業績は日に日に悪化していきました。当時は取引がうまくいかず非常につらかったです。しかし、お客様の役に立ちたいという気持ちが強く、財務などのさまざまなサービスを勉強して、お客様との関係を一つずつ構築していきました。当時は悪戦苦闘しましたが、今となってはいい経験だったと思います。

【人生の分岐点】安定したキャリアを手放し、52歳で新たな道に踏み出す

30代になると、日々の仕事に充実感はあったものの、「転職」が脳裏に浮かびます。このまま銀行員として勤め上げるか、新しいことにチャレンジするか、その時はとどまる決意をしたものの、常に葛藤を繰り返していました。そして、ついに50代で転職を決意します。

森さんー 銀行員としてこれまでさまざまな経験を積まれてきたと思いますが、ご自身のキャリアをどのように考えてこられたのでしょうか?

佐藤さんー 多くの業務を経験していく中で自分の成長を実感していましたが、このままでいいのかという想いが常にありましたね。私が30代の頃は「35歳転職限界説」と言われていたので、転職するならそろそろ動き出さないと…という気持ちはあったものの、私には踏み出す勇気がありませんでした。同期の中には他のフィールドに飛び出していく人もいて、その人たちのことを純粋にすごいと思いましたし、尊敬していました。

森さんー そのように思いながら銀行でお仕事をされて勤続28年ということですが、52歳で新たな道を選択されました。なぜこのタイミングで挑戦しようと思われたのでしょうか?

佐藤さんー これまでの仕事の経験を振り返り、整理をする「キャリアの棚卸し」をしたことがきっかけです。キャリアの棚卸しをするために職務経歴書を作成してみたところ、私には融資提案や不良債権回収などの領域に強みがあることが可視化され、これらの経験やスキルは他の場所でも活かせると確信しました。

【50代のキャリア】自身の経験の棚卸しが、今後のキャリア形成の道しるべに

転職活動中、年齢が不利になる場面があったものの、しっかりと対策をすることでチャンスを掴むことができました。50代で転職活動を経験した佐藤さんだからこそ感じる、キャリアを考えていく上で重要なポイントとは?

森さんー 実際、50代での転職活動というのはいかがでしたか?

佐藤さんー 私が肌身に感じたところで言いますと、なかなかハードな戦いでした。採用する側も年齢は気になると思いますし、少しでも若いときの方が良かったのではないかと思うことは何度もありました。しかし、自分の強みを把握することで、アピールできると感じました。

森さんー 50歳からのキャリアを考えていく上で大事なことは何でしょうか?

佐藤さんー 繰り返しになりますが、キャリアの棚卸しですね。転職をするかどうかに関わらず、自分が今までやってきたことを書き出してみることです。実際に職務経歴書を作成してみて、親しい人やキャリア形成のプロなど、第三者に読んでもらうと良いでしょう。自身のキャリアを振り返ることで、現在の立ち位置を把握することができるため、これからの職業人生に活かせると思います。

森さんー 今、新たな道に進まれておりますが、今の仕事にどのような魅力を感じていますか?

佐藤さんー 転職先の会社は、教育を中心に人材、介護など幅広くサービスを展開しています。私は財務の責任者として、前職の経験を活かし、金融機関からの資金調達や資金の管理をおこなっています。期待を持って責任者をやらせてもらうのは喜ばしいことですし、自分がありたい自分像に近付いていると思います。

【背中を押すメッセージ】チャレンジに年齢は関係ない

森さんー これから自分の夢を実現しようと考えている方々へ背中を押すメッセージをお願いします。

佐藤さんー 私は52歳で飛び出しましたけれども、もっと早く挑戦すればよかったと後悔することもありました。しかし、実際にこの歳で転職に挑戦してみて、年齢は関係ないと感じました。「何歳でも、何度でもチャレンジすることができる」と思い続けて前向きにやっていくこと、これに尽きると思います。

『森清華のLife is the journey』
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