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キャリア・生き方
2022年10月26日

キャリア50年、74歳の現在も第一線で企業の成長を支え続ける。長く活躍する秘訣とは?

WOW WORLDがスポンサーを務める『森清華のLife is the journey』(かわさきエフエム)は、パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から、「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解いていくラジオ番組です。

今回はゲストとして、当社の監査役を務める、有限会社長山事務所 株式上場コンサルタント 長山裕一が出演しました。新卒で山一證券に入社し愛知の支店で勤務。28歳での大病をきっかけに本社へ異動し、M&Aや公開引受部で現在のキャリアにつながる経験をします。自主廃業や宝印刷での経験を経て独立した後は、数々の企業の上場とその後の成長を支援し続けています。74歳の現在も第一線で働き続ける長山が、長く活躍するための秘訣を話しました。

※『森清華のLife is the journey』は、かわさきエフエム(79.1MHz)にて毎週水曜日 午後9時~9時30分オンエア。このコーナーでは、その中から月に1本、当社が選定した回を一部抜粋してテキストでご紹介します。

【WOW WORLDの監査役として】上場前から現在まで、パートナーとして会社と社員を見守り続ける

当社が上場する前から会社と社員を温かく見守り、時には厳しく助言もおこなってきた長山。当社との出会いから現在の関わり方について語ります。

森さん 現在どのようなお仕事をされているのでしょうか?

長山ー IPO(※)の支援コンサルタントです。事務所として契約する場合は顧問契約、個人として契約する場合は社外監査役や社外取締役としてお手伝いしております。

WOW WORLDとは、社名変更される前のエイジア時代からのお付き合いです。私は経営支援アドバイザーとして、上場する際の手伝いをしました。上場後、当時の社長からそのまま監査役として残ってほしいと言われ、2006年から現在までWOW WORLD に勤めております。

※IPO:新規上場

森さん 長山さんはオフィスに来て社員さんと話しをすることが多いそうですね。

長山ー 実際に社員の方の顔を見ながら、今の状況を判断することが大事だと考えています。会社へ行くと、社員の方から話しかけられたり質問されたりすることも多いですね。私は現在74歳ですが、年の差を意識せず接するようにしています。

【キャリアのスタート地点】新卒で証券会社に入社後、28歳で突然の病に。現在につながる仕事と出会う

新卒で証券会社に入社後、地方の支店で個人営業をしていた長山は、大病をきっかけに本社へ異動。M&Aや、企業が上場するためのサポートをおこなう公開引受部の仕事に就きます。

森さん 証券の世界へ進もうと思われた背景は、どのようなものだったのでしょうか?

長山ー 叔父から証券の世界について聞いていたことがきっかけですね。叔父が、日本興業銀行(当時)に勤めており、「今の日本経済の成長を支えているのは日本興業銀行だ」「今後は間接金融から直接金融の時代に向かい、証券会社の時代になるのでは」と話していたことから興味を持ったのです。

新卒で山一證券に入社し、愛知の一宮支店に個人営業として配属されました。

森さん 証券会社での個人営業と聞くと、大変そうだなというイメージがありますが、実際はいかがでしたか?

長山ー そうですね。当時はまだ、株が一般的に浸透しておらず、個人で株をしている人が白い目で見られるような時代でした。ただ、一宮は繊維の町ということもあり、住んでいる皆さんが糸の相場をしていまして。株に興味を持っている人たちが多く、仕事をしやすかったですね。

森さん 愛知で営業をされる中で、ある出来事があったそうですね。

長山ー 入社して3年目、28歳のときに大病を患ったのです。病気がわかったときは驚きましたが、「受け入れなきゃしょうがないな」と感じました。あれもしたかった、これもしたかったというよりも、28年間の人生を振り返る機会になったと今では感じています。

病が一つの転機となり、地方支店から本社に戻って1年間人事部で働きました。その後、せっかく本社に戻ってきたのだからとお声がけいただき、M&Aの仕事や、役所への出向、公開引受部でIPOの仕事をするようになりました。

森さん 仕事相手が個人から法人になり、これまでとは全く違うお仕事をスタートされたわけですが、当時はどのようなことを考えながらお仕事をされていましたか?

長山ー 私自身M&Aのことを全く知らず、一から勉強しました。世間でも知られていなかったため、まずはM&Aが何かを説明する必要があり、難しい仕事でしたね。

森さん その後もさまざまな経験を積まれながら、今につながる公開引受部でお仕事をされたそうですね。公開引受部でのお仕事は、具体的にどのような内容なのでしょうか?

長山ー 上場に向けて、審査書類の作成指導から資本政策案の作成、内部管理体制の整備など、顧客と一体となって会社を作り上げていく、証券会社の中では珍しい仕事です。新聞の株式欄に社名が載るのを見て、「この会社の上場をお手伝いしたのは私だよ」という誇らしさを感じる、非常にやりがいのある仕事だと感じています。

【人生の分岐点】会社の自主廃業後、転職先で上場支援業務の経験を経て、自分の考えで動ける独立を決意

公開引受部で働く中、思いがけず会社の自主廃業を経験した長山は、独立の道を歩むことを決意します。

森さん あることをきっかけとし人生の分岐点を迎えたそうですが、どのようなことがあったのでしょうか?

長山ー 山一證券が自主廃業したことです。当時は定年まで同じ会社で勤め上げ、その後どこかで2~3年勤務するという働き方が常識でしたが、会社がなくなってしまったので、自分で行動しないといけなくなりました。

森さん 先のことを考えなければいけない状況で、どのようにして次の道に進まれたのでしょうか?

長山ー 非常に恵まれていたのですが、自主廃業の新聞記事が出た後、当時上場準備をしている複数の会社から、うちにこないかと声をかけていただきまして。結果として、公開引受部と同じような仕事をしても良いという条件で、宝印刷に入社をしました。

宝印刷では公開支援室長として、上場準備の会社にコンサルタントとして入っていたのですけれど、ほぼ同時に三社から顧問や監査役になってくれないかというお話をいただきました。自主廃業を経験していたので、一つの会社にいたらまた同じようなことがあるかもしれない。サラリーマンよりは、個人で仕事をした方が良いのではないかと考え、独立を決断したのです。

森さん 実際に独立してみて、どのような違いがありましたか?

長山ー 仕事を選べることや、誰かの命令で動くわけではなく自分の考えで動けることは、非常に気持ちの良いことだと思いました。

【仕事をする上で大事にしていること】人脈ではなく「ご縁」を大切に。やりがいを感じながら働く

利害関係を生む「人脈」ではなく、「ご縁」が大切。顧客と同じ目標に向かって仕事をすることを第一に考える長山の仕事のやりがいとは。

森さん 独立後は自由に動ける一方、営業などもしていく必要があると思うのですが、お客様とのつながりをどのように作ってこられましたか?

長山ー ありがたいことに、全てご縁で紹介をいただいて仕事が成り立っているので、営業をしたことはありません。

「人脈が大事」とよくいわれますが、人脈は利害関係が発生する言葉だと思っているので、私はあまり好きではないのです。私のIPO支援というのは利害関係が発生しません。上場したい企業と、それを応援したい私。同じ思いで仕事をしているので、途中で利害が相反するようなことは、ほとんど起きないのです。もちろん成功させないといけませんが、同じ目標に向かって仕事ができるのは、気持ち的に非常に楽だと思いますね。

森さん 長山さんは74歳の現在もご活躍されています。お仕事をしていく中でどのようなことを大事にされていますか?

長山ー やりがいを感じることですね。仕事のやりがいの要素として、「好きなことをする」「得意なことをする」「社会に認められる」「お金をいただける」の4つがあるといわれています。ありがたいことに、まさに自分はその4つを体験していると思います。

今回改めて振り返り、50歳で自主廃業を経験した当時は何も考える余裕はありませんでしたが、山一證券に25年勤め、自主廃業からほぼ同じくらいの年数が経ったのだと感激しています。

【背中を押すメッセージ】「日日是好日」そのままを受け入れ、感謝すること

森さん これから自分の夢を実現しようと考えている方々へ、背中を押すメッセージをお願いいたします。

長山ー 「日日是好日(にちにちこれこうにち)」という言葉を贈りたいと思います。さまざまな読み方や意味があるようですが、どのような日も大切なのでそのまま受け入れる、そして感謝をすることが大切だと私は理解しています。

この言葉は、2008年に妻が胃がんになり、全摘手術を受けたときから大切にするようになりました。これを機に日記やウォーキングを始めるなど、妻の病気が自分の人生にとって一つのポイントになっていると感じています。

私自身、28歳以降もさまざまな病気をし、バブル崩壊や会社の自主廃業など多くの困難にも遭遇しましたが、すべてあらがうことなく受け入れてきました。そして、乗り越えてこられたことに感謝もしています。

「そのままを受け入れること」「感謝をすること」この二つを大切に、人生を歩んでいきたいと思っています。

『森清華のLife is the journey』
→アーカイブ放送は、こちらからお聴きいただけます