本コーナーでは、WOW WORLDで働く人が、社会やお客様、仲間とどのように歩み、どのような自己実現を目指しているかを紹介します。
今回は、開発部で品質保証を担当する宮﨑寛大(みやざき ひろとも)です。プログラマーとして2013年にエイジア(現WOW WORLD)に入社し、以来10年にわたってシステム開発に関わるさまざまな業務を経験してきました。異動が少ない当社では珍しく、複数の部署でキャリアを積み重ねてきた人物です。立場や役割が変わっても、ぶれない軸と柔軟な姿勢で全てを成長の糧とする宮﨑は、現在全製品の品質保証に携わるテストチームをリーダーとしてけん引します。その先に見据えるのは、経営レベルでのIT戦略構築や起業という大目標。常に目的を見失わず、目指すものに向かって着実に歩みを進めるその取り組みを紹介します。
私は入社以来、会社組織の発展とともにさまざまな形でシステム開発に携わってきました。自分では予想していなかった役割も担うこととなりましたが、常に大きな目的を意識し、それに対して「この経験をどう役立てられるか?」と考え取り組んできました。それが自身やチームの成長につながっていると感じます。現在目指すのは、品質保証の地位向上です。さらにその先には、経営視点でIT戦略を立案し推進できる人材になるという目標があります。そしていずれは会社を興し、世の中の全ての人に必要とされるようなサービスをつくりたい、そのためにどんな経験からも学ぶ姿勢を貫きたいと考えています。
前職はプログラマーとしてIT企業に勤務していました。工業高校卒業時にプログラミングに興味を持ち、進学と就職で迷った結果、「働いて覚えた方が早い」と決断し入社した会社です。会社規模は小さいものの大型案件を多く手掛けており、4年間の勤務で、プログラムスキルとともに工程管理など開発の大きな流れも身に付けることができました。
その後、Webシステムの受託開発に携わりたいと考え、エイジア(現WOW WORLD)に転職。エイジアは当時、自社製品の開発に加え受託開発も手掛けており、両方の視点から学べると感じたからです。プロジェクトごとに一件一件要件が異なる受託開発は、新しいものに触れたりつくったりすることが好きな私にとっては非常にやりがいのある分野で、スキルアップも期待できました。また、この頃から将来的な目標として「起業したい」という思いがあり、エイジアの面接ではそのことを話して、面接官だった当時の役員と意気投合したことを覚えています。入社後は、当時あったサービスソリューション部で受託開発を担当。エイジアではプログラムを作るだけでなく、上流工程の要件定義から携わることができ、期待以上のステップアップを図ることができました。
3年ほど経った頃、会社方針で受託開発が縮小されることになり、代わって新製品開発に携わるようになりました。しかし私はそれまでの業務で、プログラミングよりも要件定義などに面白さを感じるようになっていました。そこで、新製品の完成後にキャリア転向を決意。入社5年目で迎えた大きなターニングポイントでした。上司に意思を伝え、そこからはプログラマーとしてではなく、システム開発全体に携わる立場でキャリアアップを目指すことに。初めの1年は既存製品のカスタマイズに携わり、設計やお客様と開発との窓口業務を担当しました。その後任されたのが、新たなテストチームの立ち上げです。以来リーダーとしてチームづくりや業務の整備を進め、部署の統合などを経て現体制となった今は、全製品の品質検証を管轄しています。
10年で思いがけずさまざまな業務に携わることになりましたが、おかげで多様な経験を積むことができました。そこで実感したのは、どんなことにも学びがあるということ。例えば社員のパソコンのセットアップといった開発に関係のない業務も経験しましたが、普段関わらない部署の人との会話は、新たな知識を得るきっかけになりました。特にテストチームの立ち上げは、経験したくてもなかなかできない業務だと思います。「チームづくりの経験があれば、部署をつくることもできるはず。それはいつか会社をつくるときに役立つのでは」との考えもあり、貴重な機会を得られたと感じています。
テストチームの立ち上げは、大きな挑戦だけに苦心したことも多くありました。品質保証の業務自体が初めての経験だったので、まずそこから勉強が必要です。同時に、中途採用したメンバー4人の教育もおこなわなければなりません。当時は会社の制度を活用してチームビルディングやコミュニケーションなどあらゆる研修に参加し、チームづくりに取り入れました。製品についてわからないことがあった時や一人で手が回らない時は、開発チームの協力が大きな助けになりました。2年ほど大変な時期が続きましたが、都度目標を定め、小さな単位で取り組むうちに、メンバーも業務を覚えて成長し、少しずつチームの体制を構築することができました。2021年4月には、部署の統合に伴い2つあったテストチームを合併して現在のテストチームができました。これまでの2年は新チームとしての業務の整備期間で、今後は品質保証のさらなる体制強化を目指すフェーズに入ります。
品質を担保するというのは当たり前のことのように思われがちですが、単に機能を検証してバグを見つけるだけでは不十分です。お客様にとっての使いやすさなど、大きな観点で製品を見て、改善点を指摘できなければなりません。自分で考えてテストできる人材が必要なのです。メンバーがそうしたマインドを持てるよう、日頃から声がけをしたり、皆で勉強会をしたり、メンバー自身で目標設定して実行したりするなど、さまざまな取り組みをしています。そのおかげもあり、テストチームは機能だけでなく「実際にWEBCAS(ウェブキャス)がどのような使い方をされているか」など実践的な知識も豊富です。おそらく他部署が思っている以上に製品を知っているのではないでしょうか。今後はそれを生かして、カスタマーサポートと連携し、問い合わせが多い機能を優先的にテストする、といった効率化の試みも考えているところです。
直近の目標はテストチームを3年以内に部署にすること。メンバーとも目標を共有し、マインドマップを作って必要な要素を話し合っています。品質保証の地位向上は、メンバーのモチベーションや、会社の信頼を高めることにもつながるはずです。
自身のキャリアにおける中長期的な目標は、経営的な観点からIT戦略を策定・提案・推進できる人材になることです。超上流工程に携わり、ITによる事業の課題解決を根本から手掛けたいと考えています。目標に向け、今足りないのは経営の知識だと考え、昨年春には経営管理を学ぶために通信制の短大に入学しました。高校卒業時「大学にはやりたいことが見つかった時に行こう」と考えていましたが、それが今だと思いました。
大学での学びは、起業という目標にもつながります。いつかは自分の会社をつくり、全ての人にとってなくてはならないものであり、関わった人に良い影響を与えられる、そんなサービスを提供したいと思っています。具体的なビジネスのアイデアは目下思案中。新しいものを生み出すのは簡単ではありませんが、過去に生まれた画期的なサービスも、試行錯誤の末に思いがけずたどり着いたものが多いのではないでしょうか。私も枠にとらわれず、出合ったものから柔軟に学び続けることで、新たな価値を創造したいと思っています。
※所属部署や名前はインタビュー当時のものです(インタビュー2023年3月30日)