本記事は、WOW WORLDがスポンサーを務めていたラジオ番組『森清華のLife is the journey』の放送内容の一部をテキストでご紹介するものです。
当番組は2025年3月に終了するまで、かわさきエフエム(79.1MHz)にて8年半にわたり放送。パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解きます。(※文中の組織名、ゲストの方の肩書等は放送当時のものです。)
今回はゲストに、株式会社OUI 代表取締役CEO/眼科医 清水映輔さんをお迎えしました。医師である祖父の背中を見ながら育ち、自身も医師を目指して慶応義塾大学へ進学します。眼科医としての道を歩む中で、起業を決意。世界の失明を減らすため、医学・工学・ビジネス分野のプロが集結し、医療機器の開発や医療関係者の支援をおこなっています。現役の眼科医でもある清水さんに、医師と経営者を両立する上で大切なことを伺いました。
医師である祖父の姿に感化され、慶応義塾大学の医学部に進学。多様性を重視する先生のもとで学び、一流の眼科医を目指す中、起業へ踏み切ります。
森さんー 清水さんが医師を志そうと思った原点はどこにあったのでしょうか。
清水さんー 祖父が横浜で内科を開業していて、その背中を見て育ったことだと思います。人々の身体や健康に対してアドバイスできる立場になることが、一番社会貢献できるのではないかと漠然と考えていました。
森さんー そのような思いを持って慶応義塾大学の医学部に進まれていますが、いろいろ分野がある中で、なぜ眼科を選ばれたのでしょうか。
清水さんー 当時は眼科にこだわりはなく、医師であれば社会貢献できると考え、どの診療科でもいいと思っていました。しかし、勉強していく中で自分の力を自由に発揮できて、かつ専門分野で負けないような教育を施してくれるところがいいと思うようになりました。中でも眼科の坪田一男先生は多様性を重視していて、「眼科医として一流になりなさい」という教育方針でしたので、坪田先生のもとで学びたいと思い眼科を選びました。
森さんー 一般的に眼科医の方はどのようなキャリアを歩まれるのでしょうか?
清水さんー 日本での眼科医のキャリアは医学部卒業後、まずは2年間、初期研修医としてさまざまな診療科をまわって勉強します。その後、4~5年間は専攻医として病院に出向し、角膜や網膜など眼科の中でもさらに専門的に学びます。そして、眼科専門医の試験に合格したら、一人前の眼科医になることができます。
そこから、より専門的な知識を身に付けるために留学したり、病院で手術をたくさんおこなったりして臨床経験を積んでいき、大学病院や総合病院でキャリアを築いていく人もいれば、開業する人もいます。
森さんー 当時は、ご自身のキャリアの在り方をどのように考えていましたか?
清水さんー 始めは一番の眼科医になろう、負けたくないという思いで日々勉強していましたが、眼科医個人だとできることが制限されるので、会社をつくって活動するのがいいのかなと考えるようになりました。その時私は眼科医として2~3年目の初期研修医でしたので、この時期にサイドキャリアを描くというのは非常に珍しいケースでした。
私が起業を考えたのは、父の影響が強かったのかもしれません。父は外資系企業に勤めていて、その後自分で会社を立ち上げて上場もしています。自分の身近にビジネスのことを相談できる相手がいたことは、周りの医師との大きな違いだったと思います。
森さんー そして2016年に会社を設立されたのですね。当時はどのようなプロダクトがあったのでしょうか?
清水さんー 実は、起業した当時はプロダクトなど何もありませんでした。
医師と経営者を両立する中、2017年に眼科医としてベトナムへ白内障手術のボランティアに行ったことが、現在の事業の核となるプロダクトが生まれるきっかけとなりました。
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