取り組み・活動

キャリア・生き方
2023年08月29日

数々の苦悩を経験したコピーライターの夢とは?「伝え方が9割」を出版するまでの道のり

WOW WORLDがスポンサーを務める『森清華のLife is the journey』(かわさきエフエム)は、パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から、「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解いていくラジオ番組です。

今回はゲストに、ベストセラー「伝え方が9割」の著者である、コピーライター 佐々木圭一さんをお迎えしました。コミュニケーションが苦手だった自分を変えたいと広告代理店に入社。コピーライターとして配属されるもうまく書けず苦しむ中で、「良いコトバ」の法則に気付きます。書籍を出すきっかけや、可能性を広げるための大事な視点を伺いました。

コピーライター 佐々木圭一さん

※『森清華のLife is the journey』は、かわさきエフエム(79.1MHz)にて毎週水曜日 午後9時~9時30分オンエア。このコーナーでは、その中から月に1本、当社が選定した回を一部抜粋してテキストでご紹介します。

【キャリアの原点】伝え方はセンスではなく、技術がある。この気付きがコピーライターとして活躍する大きな一歩に

広告代理店でコピーライターに配属されたものの、良いコピーが書けずボツの連続だった新人時代。辛い状況を打開しようともがく中で、良い言葉には法則があることに気付きます。

森さん 言葉を扱う仕事の原点はどこにあったのでしょうか?

佐々木さん 学生時代は、コピーライターになろうと思っていませんでした。私は理系で、大学院まで進み機械工学の勉強をしていました。機械と向き合っているほうが好きだったくらい、人とのコミュニケーションが苦手でしたね。

しかし、一生のことを考えたときに、人とのコミュニケーションがうまくできるようになりたいと思い、調べた結果、広告の仕事がコミュニケーション能力を身に付けやすそうだということがわかりました。

就職活動をしている中で、理系の人が広告代理店に応募したのが珍しかったのか、博報堂から内定をいただきました。コピーライターとして配属されたのですが、大学時代はコピーを作った経験もなく、人に伝える言葉を作る仕事は大変でした。

当時は1日あたり300案くらいキャッチコピーを考えていました。上司に「量を出しなさい」と言われ、書いたものを持っていくと、速読されてゴミ箱に捨てられました。約24年前、その頃はスパルタで子弟関係があった時代だったのですが、捨てられたことにびっくりしましたね。しかもそれは1回だけではなく、毎回捨てられる。自分の案が捨てられているけど、自分自身が捨てられているかのような気分になって、つらいなと思いながらもどうしようもなく書き続ける新人時代でした。

当時、私につけられたキャッチコピーがありました。ちょうどエコブームで、書いても採用されない、書いた紙の分だけ無駄という理由で、「最もエコではないコピーライター」と言われていました。上司もコピーライターなので上手いなと思いましたが(笑)、つらかったですね。

森さん そうした中で、苦手克服のためにどのようなアプローチをされたのでしょうか?

佐々木さん 世の中にある「なんかいいな」と思う言葉をノートに書いていました。たとえば、「考えるな、感じろ(映画「燃えよドラゴン」)」や「最高で金、最低でも金(柔道家・谷亮子)」など。それらの言葉を見ていると、対になる言葉が入っているのです。一つの法則がわかり、他の言葉についても共通点を考えるようになりました。すると、世の中にある良い言葉は全部法則があることに気付きました。

それまで私は、コピーはひらめくもの、センスだと思っていました。センスがない私はどうしようもないと思っていましたが、やり方・作り方があることを見出したのです。

森さん そこからコピーライターとして力を発揮され、国内外で数々の賞を受賞されていますが、ベストセラーである「伝え方が9割」はどのようなきっかけで出版することになったのでしょうか。

佐々木さん 元々ビジネス本が好きで、ビジネス本を作ることに憧れがありました。

本を書ける人はごく一部の人と思われがちですが、実はそのきっかけは身近なところにあります。


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