取り組み・活動

キャリア・生き方
2024年03月28日

新卒第1期生から専務取締役へ。経営理念「利他の精神」を体現し、ワイン・日本酒の蔵元と消費者をつなぐ

WOW WORLDがスポンサーを務める『森清華のLife is the journey』(かわさきエフエム)は、パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から、「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解いていくラジオ番組です。

今回のゲストは、株式会社ヴィノスやまざき 専務取締役 福井謙一郎さんです。ワインと日本酒の専門店である同社は、今年で創業111年を迎えます。世界各地に足を運び、蔵元から直接ワインを輸入してお客様に販売するという「蔵直(R)」のパイオニアでもあります。福井さんは新卒第1期生として入社し、「Work for Others(利他の精神)」や「革新(お客様に喜んでいただくために「変わる勇気」を持つ)という会社のフィロソフィーを体現しながら多くの経験を積まれ、現在は専務取締役として同社に貢献されています。そんな福井さんに、キャリアに対する考え方や思いを伺いました。

株式会社ヴィノスやまざき 専務取締役 福井謙一郎さん

※『森清華のLife is the journey』は、かわさきエフエム(79.1MHz)にて毎週水曜日 午後9時~9時30分オンエア。このコーナーでは、その中から月に1本、当社が選定した回を一部抜粋してテキストでご紹介します。

【キャリアのスタート】新卒第1期生として入社。ゼロからワインの知識を習得し、多くの経験を積みながら事業拡大に貢献

現在、専務取締役を務めるヴィノスやまざきに、新卒第1期生として入社した福井さん。ワインや日本酒が好きではあったものの、知識はほとんど無い状態でキャリアをスタートしたといいます。

森さんー お酒が好きとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか。

福井さんー 私の父がお酒好きで、さらに海外の色々な国へ行っていたため、各国のワインの話を聞いて育ちました。私も20歳になってワインを飲みながら、「結構、奥が深いなぁ」と興味を持つようになりました。

森さんー 新卒第1期生として入社された当時、ヴィノスやまざきのお店の様子はどうでしたか。

福井さんー 入社当時は、本店と渋谷の2店舗のみでした。私は本店で勤務しており、当時はまだ配達も おこなっていたので、朝は配達をし、午後はお店に立ちお客様にワインの提案をするというスタイルで働いていました。お店の様子も今の雰囲気とは驚くほど違いました。

森さんー そこから、どのような経験を積まれていくのでしょうか。

福井さんー 全国に店舗を展開させていくため、多い時で1年に3店舗オープンさせました。実はヴィノスやまざきの店舗には、その土地に合わせたショップコンセプトを設けるという特徴があります。店舗によって看板や外観を変えているため、お店によって印象が異なります。

例えば私が店長を務めた有楽町店では、半地下にテイスティングバーがあり、ショップコンセプトは「ニューヨーク」でした。そのため、実際にニューヨークへ足を運び「こんな素材が良いのではないか」などのアイデアを持ち帰り、内装に取り入れ、お店づくりをしました。

さらに、「ワインのお店ってなかなか入りづらい」という方のために、ヴィノスやまざきでは親しみやすいお店を目指しており、店頭ではノンアルコールや低アルコールの甘口ワインをアピールし、アルコールが飲めない方や、苦手な方でも来ていただけるように工夫しています。もちろん、中に入ると一本一本ストーリーを持つワインを並べ、ワインが好きな方にも奥深さを感じて楽しんでもらえるようにしています。

森さんー もともとワインの知識はほとんど無く、入社後に習得されたとのことですが、苦労はありましたか。

福井さんー ソムリエ資格を取るためには産地や品種の横文字を覚える必要があるため大変ではありましたが、まずは「自分が好きなワインを見つける」ということを大切にして学びを深めていきました。ソムリエ資格については年々新しい情報が追加され、私が勉強した時よりかなり情報量が増えています。「自分はスッキリした味わいが好き」「こくがあって果実味のあるワインが好き」など、自分が好きなワインの味わいを知れば、ワイン選びも幅が広がり、楽しいと思います。学びながら、自分の好きなワインを探していくというのが大事です。

森さんー 学びながら経験を重ねてこられた中、キャリアを広げる分岐点となった場面はどのような時でしたか?

福井さんー ヴィノスやまざきが創業100年を迎えた2013年、中国・上海に店舗を出す新プロジェクトがあり、「ぜひ自分にやらせて欲しい」と手をあげました。そして、採用も含めて立ち上げ時から責任者となりプロジェクトを推進していくことになりました。中国語ができたわけでも現地に知り合いがいたわけでもない自分にとって、異文化の中で仕事を進めていくことは精神面でとても鍛えられました。それまでは人の意見に同調しながら仕事を進めることが多かったのですが、相手の意見も聞きながら自分の意見を言う、方向性を示していくというのがリーダーとして重要だと学びました。

当時のパッションが自分を大きく成長させたという福井さん。経営者としての心得もその際に身につき、新プロジェクトを経て仕事への取り組み方が大きく変わっていきます。


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