取り組み・活動

キャリア・生き方
2024年05月31日

社内ベンチャー制度に挑戦する中で出会った仲間とともに起業。新たな有機肥料の研究開発で農業分野の未来を切り拓く

WOW WORLDがスポンサーを務める『森清華のLife is the journey』(かわさきエフエム)は、パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から、「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解いていくラジオ番組です。

今回のゲストは、株式会社WAKU代表取締役CEOの姫野亮佑さんです。姫野さんは大手エネルギー会社から独立して起業。現在は、研究拠点である岡山県の高梁市に移住し、医薬品として使用されることが多い「グルタチオン」という物質が植物の光合成を活性化させることに着目して、農業領域で活用するための研究開発をおこなっています。“生育収穫量の向上”に寄与する可能性を秘めた有機肥料の社会実装を目指す姫野さんに、キャリアに対する考え方や思いを伺いました。

※『森清華のLife is the journey』は、かわさきエフエム(79.1MHz)にて毎週水曜日 午後9時~9時30分オンエア。このコーナーでは、その中から月に1本、当社が選定した回を一部抜粋してテキストでご紹介します。

【キャリアのスタート】ロシア留学を通して、エネルギーと政治に関心を持つ。民間から政治に影響を与えられる仕事に魅力を感じ、大手エネルギー会社に入社

現在、株式会社WAKUの代表取締役CEOを務める姫野亮佑さん。学生時代には世界の様々な地域を回って見聞を広める中、就職活動の直前にはロシアの交換留学を経験。世界有数のエネルギー資源大国であるロシアでの暮らしを通して「エネルギー」と「政治」に興味を持った姫野さんは、民間から政治に影響力を与えられる仕事が面白いと考え、大手エネルギー会社に入社されました。

森さんー 実は、この番組では初めてロシアに留学された方にお会いしたのですが、ロシアに行かれて印象に残ったことはどのようなことでしょうか?

姫野さんー ロシア人との議論を通じて、物事の捉え方が大きく変わったことです。私たちが当たり前だと思っていることでも、彼らは全く違う角度で物事を見ていることがあり、自分が生きている世界にはバイアスがかかっていたことに気が付くことができました。大前提に立ち戻り、事実は何なのかという話から考えられるようになったことが良かったです。

森さんー その後、エネルギー会社にご入社をされたということですが、どのようなお仕事をされていましたか?

姫野さんー 最初の2年間は化学品の法人営業をしていました。その後は新規事業を担当し、ガソリンスタンドに併設されるコインランドリー事業の企画・展開に携わりました。社内ベンチャー制度ができてからは、さまざまな事業を構想して何度も応募していました。

森さんー そのような中で、なぜ今の会社の立ち上げに至ったのでしょうか?

姫野さんー 社内ベンチャーが着想のきっかけになりました。当時、アボカドの植物工場の事業案を作成していた際、植物の光合成を活性化させる「グルタチオン」という物質に出会いました。
実はアボカドは収穫までに長い時間がかかり、収穫量が少ないなどの課題が多くありました。そのため、バイオテクノロジー等で解決する方法がないかと検討していた時に、現在のCTOである共同創業者にグルタチオンを紹介されました。
試験的にアボカド農家さんに協力してもらい栽培にグルタチオンを使用したところ、生育がとても良くなり、驚くほどの成果が得られました。もしかするとアボカドだけではなく、全ての農作物に応用できるのではないかと感じ、会社を立ち上げました。

森さんー 社内ベンチャーで立ち上げる選択をしなかったのはなぜですか。

姫野さんー 自由度が限られてしまうためです。当時私がいた会社の社内ベンチャーは100%会社の出資だったため、どうしても色々な制約がありました。そのため、自分で事業を立ち上げようと決めました。

こうして独立を決意し、農作物の収穫量を向上させる技術の社会実装を目指して歩み始めた姫野さん。社会課題である、世界の食料危機問題の解決手段としての可能性も見据えた、植物の光合成を活性化させるグルタチオンを活用した新しい有機肥料の開発に挑んでいきます。


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