大手通信会社でのキャリア、遠距離結婚、副業――挑戦を重ね、成長と可能性を追求
本記事は、WOW WORLDがスポンサーを務めていたラジオ番組『森清華のLife is the journey』の放送内容の一部をテキストでご紹介するものです。 当番組は2025年3月に終了するまで、かわさきエフエム(79.1MHz)にて8年半にわたり放送。パーソナリティの森清華さんが、最前線で活躍されている企業経営者や各界のスペシャリストの“人生の分岐点”から「これからのキャリア、生き方のヒント」を紐解きます。(※文中の組織名、ゲストの方の肩書等は放送当時のものです。) 今回のゲストは、株式会社NTTドコモ コンシューマサービスカンパニー ライフスタイルイノベーション部長 笹原優子さんです。ライフスタイルイノベーション部は社員130名を抱え、ドコモ契約者向けセキュリティサービスやキッズ向けサービス、自転車シェアリングなど、幅広いサービスの企画・推進を担当しています。 笹原さんは大学卒業後にNTTドコモに入社、「iモード」立ち上げ部署で企画・仕様策定に関わったのち、携帯電話ラインナップの企画・デザイン戦略を担当。 アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)への留学でMBAを取得し、帰国後は新事業創出プログラムの立ち上げを経て、 NTTドコモ・ベンチャーズの代表に就任。2023年6月から現職を務めます。 そんな笹原さんに、キャリアに対する考え方や思いを伺いました。
【キャリアのスタート】 携帯電話の時代が来ると予感しNTTドコモに入社。「iモード」立ち上げ部署で活躍し、結婚を機にコンサルティングの副業を開始。
子どものころからゲームが好きで、将来はゲームなどのエンターテインメントを企画する人になりたいと思っていたという笹原さん。大学卒業後、携帯電話の普及前夜だった1995年にNTTドコモへ入社します。森さんー 就職先にNTTドコモを選ばれたのはどのような理由からでしょうか?笹原さんー 大学生のころはまだポケベル全盛で、限られた人しか携帯電話を所有していない時代でしたが、今後は携帯電話がどんどん広まっていくという予感がありました。私のなかでは「携帯電話が広まる=いつでもどこでもコミュニケーションがとれる=最大のエンタメ」というイメージがあり、「携帯電話を作る会社はエンタメ会社だ」という認識でNTTドコモに入社しました。森さんー 新人のころはどのような社員でしたか?笹原さんー 「高校生の次は大学生、大学生の次は社会人」という感覚で、会社を学生生活の延長線上に捉えてしまっていました。そのため仕事をするイメージが湧かず、いかに定時に帰るかということばかり考えているような状態でした。最初のころは、何か問題が生じたらすぐに上司の課長に相談して「どうすべきか」という答えをもらい、早く仕上げて帰ろうとするような社員でしたね。森さんー そうしたなかで、仕事に対する向き合い方が変わっていくきっかけは何だったのでしょうか?笹原さんー そのような私の相談に対して課長がたびたび「あなたはどうしたいか」という問いを投げ返してくるので、私としては「どうするか決めるのは課長じゃないか」と思いながらも、質問すれば質問し返されることがわかったので、「自分はどうしたいか」を考えてから相談するようになりました。すると課長はさらに私の提案に対して質問を投げかけてくるので、「こうしたいと伝えたらきっとこう質問される」と考えるようになり、次第に自分なりの答えや意志をはっきり持つようになっていきました。 今振り返ってみると、あの時に課長が根気強く「自分で考える力」を引き出してくれたことは、私の成長に大きな影響を与えてくれたと思います。森さんー どのような内容のお仕事からキャリアをスタートされたのですか?笹原さんー 入社4年目に「iモード」立ち上げの部署に異動になり、それが最初の大きな仕事となりました。当時としては珍しく転職組も多く、多様性に富んだ部署で、上司と部下の間でもオープンでフラットなコミュニケーションが成り立っていました。そうしたカルチャーから数々の新しいサービスが生まれ、働く自分としても充実した時を過ごすことができました。森さんー これまでに、キャリアの分岐点となる出来事といえばどのようなことがありましたか?笹原さんー 27歳のころに大阪に住む男性との結婚を考え、このまま東京で仕事を続けるべきか大阪に移住するべきかという問題に直面しました。結局、「結婚=同居」という通念に従う必要はないと気づき、住所別々のまま遠距離結婚という形を選択したのですが、今後も転勤や出産、介護など、仕事と家庭生活のバランスのなかで大きな選択を迫られる場面が来ることを考え、いざというときには転職という選択肢も選べる人材になっておきたいという気持ちが芽生えました。こうして、コンサルティングの副業を始めることにしました。森さんー 副業を通してどのような変化が笹原さんのなかで生まれたのでしょうか?笹原さんー 異業種の女性7人が集まってコンサルタントのグループを作り、女性向け商品の企画開発をする会社のコンサルティングなどをおこなっていたのですが、他のメンバーと比べて「自分ならではの特徴や強みが欠けている」と感じ、会社生活で培ってきた自信が崩壊して、自分を見失うような状況に陥りました。それでも自分のよいところ、差別化できるところを探しながら何とか続けているうちに、もやもやした状況からいつの間にか抜け出て、はっきり前進したと感じられる瞬間が訪れました。この経験は感覚として自分のなかに残り、「何事もとりあえずやってみる。苦しんでも、いつか新しい境地に抜け出せる瞬間が来る。それまでがんばる」というスタンスで、自信を持って新たな領域に挑戦していけるようになりました。 「携帯電話の時代が来る」「携帯電話こそエンタメ」と予感してNTTドコモに入社した笹原さん。「iモード」立ち上げ部署のオープンな環境のなかで経験を積み、結婚を機に、会社の外でも勝負できる人材になることを期して商品開発コンサルティングの副業を始めます。自分が今いるコンフォートゾーン(快適で慣れた環境)から飛び出し、新たな挑戦をすることで、自己成長を遂げていく過程を経験。自身の殻を破り、さらなる挑戦をするべく、次のステージへと進んでいきます。
続きはこちらからお聴きいただけます。